いつものことながら、この生産者の一本を抜くときは、不必要に肩に力が入ってしまうのだ。
ブルゴーニュの著名な生産者が軒並み高騰した今となっては、パカレだけが殊更に高いという訳でもなく、もはや値段だけで緊張するほどのものでもない。それはきっと、パカレを開ける、というただそのことによってもたらされるもので。
巷に溢れる絶賛の声と、それとほぼ同じほどの駄目出し。おそらくは、素晴らしいという声が大きければ大きいほど、それに拮抗するべく大したことはないという声が沸くのだ。評判が高ければ、当然、期待も大きい。その期待が大きければ大きいだけ、落胆もまた大きい。
それほどの期待をしなければ、大いなる賞賛を受けるに値するものであっても、大きな期待を裏切ったときの批判はそれもまた覚悟をせねばならないのだ。
さて、その落差を割り引いて考えたとしてもこの村名のシャンボールは、良い具合にこなれてきていて、絶妙の柔らかさと優しさをと芯の強さを感じさせてくれる。パカレという名の予備知識とは完全に無縁となることはありえないとしても、これはこれで評価に値する一本であることは間違いない。
